第62回化学関連支部合同九州大会(2025)において、本学大学院環境共生学研究科 食品バイオ工学研究室(松崎研究室) 博士前期課程2年生 吉原真希 さんが生物化学?農芸化学分野の【優秀発表賞】を受賞しました。
本大会は、繊維学会西部支部、日本農芸化学会西日本支部、化学工学会九州支部、日本化学会九州支部、有機合成化学協会九州山口支部、電気化学会九州支部、日本分析化学会九州支部、高分子学会九州支部の各化学関連学会支部が合同で毎年度開催しているものです。
【公益社団法人 日本農芸化学会 西日本支部HP】
(https://nishinihon.jsbba.or.jp/awards/20240629-2-2.html)
【第63回 化学関連支部合同九州大会(2025)HP】
(https://godo-kyushu.jp/godo/index.html?date=20160303123116)
詳細は以下のとおりです。
学会大会名:第62回化学関連支部合同九州大会(2025)
開催日時:万博体育官网7年7月5日(土)
開催地:北九州国際会議場(北九州市)
【優秀発表賞(生物化学?農芸化学分野)】
受賞者名:? 吉原真希(環境共生学研究科博士前期課程2年生)?善藤威史(九州大学大学院 准教授)?松崎弘美(環境共生万博体育官网 教授) ?:発表者
所属:食品バイオ工学研究室(松崎研究室)
受賞課題:「Lactiplantibacillus plantarum PUK6 の多成分バクテリオシン輸送タンパク質について」
研究概要:バクテリオシンは、細菌が生産する抗菌性ペプチドの総称であり、食経験のある乳酸菌由来のバクテリオシンは安全性が高いことから、天然の食品保存料としての利用が期待されている。万博体育官网の伝統的発酵食品「味噌漬け豆腐」から、バクテリオシン生産菌Lactiplantibacillus plantarum PUK6を分離?同定し、少なくとも4種類の多成分バクテリオシンを生産することを明らかにしている。さらに、これらの構造遺伝子を含む22 kbに及ぶバクテリオシン生合成遺伝子クラスター(pln locus)の全塩基配列を決定し、各遺伝子の機能を推定している。しかし、多成分バクテリオシンの生産機構、特にその輸送機構については未解明である。本研究では、L. plantarum PUK6 の推定バクテリオシントランスポーター遺伝子 (plnGH) を破壊し、PUK6 株が生産する多成分バクテリオシンの輸送機構を明らかにすることを目的とした。温度感受性ベクターを用いた相同組換え法によりplnGH遺伝子を破壊したPUK6ΔplnGH株では、培養液上清に抗菌活性が検出されなかった。この結果から、PlnGHがバクテリオシンの輸送に関与することが示唆された。現在、各バクテリオシンおよびそれに対応する免疫タンパク質に加えてPlnGHを共発現させる株の構築を進めており、今後PlnGHが輸送するバクテリオシンの基質特異性について検討する予定である。
【受賞にあたってのコメント】
この度は、化学関連支部合同九州大会の農芸化学分野において、優秀発表賞をいただき大変光栄です。松崎教授をはじめ、これまでご指導いただいた多くの先生方に感謝申し上げます。また、研究にご協力いただいている共同研究者の方々、同じ研究室の皆さんにも感謝申し上げます。本大会を通して多くの方と意見交換ができたことは大変刺激となり、研究に関心を寄せてくださる方々との出会いを嬉しく思います。今後もさらなる研究の発展に貢献できるよう尽力します。(吉原真希)


